今回は、5月の誕生石エメラルドとヒスイについてご紹介します。
どちらも緑色をした、美しい宝石です。
【エメラルド】
エメラルドは、ベリルという鉱物で、3月の誕生石アクアマリンと同じ鉱物です。硬度は、7・5~8と高いのですが、「キズのないエメラルドを探すのは、欠点のない人間を探すより困難だ」と言われるように、アクアマリンに比べキズが多く扱いには、注意が必要です。特に超音波洗浄機は、厳禁です。
エメラルドは、五大宝石に、必ず名前のあがる宝石で、かの有名な絶世の美女クレオパトラも愛した宝石として有名です。なんと自身のためにエメラルド鉱山まで所有するほどの熱のいれようだったそうです。
クレオパトラは、エメラルドを宝飾品として使用したり、砕いて粉末状にし、アイシャドウとしても使用していたようです。
また、マヤ文明や、アステカ文明を築きあげたインディオたちも、聖なる石として、エメラルドを崇めていました。
16世紀の終わりには、スペイン人がコロンビアのエメラルド鉱山を征服し、その後幅広い地域に渡っていきました。コロンビアのエメラルドは、宝飾品や彫刻などにされ、ヨーロッパ、トルコ、イラン、インドなどの王室に持ち込まれ、やがて世界中に広まり現在のように、人気のある非常に有名な宝石として扱われるようになりました。
古来より心や精神をリラックスさせるすばらしいヒーリングストーンとして利用された他、目の病気や、神経の病気を癒すための効果があるとされており、瞳を美しくする石とも言われ、異性を魅了する力を与えてくれる誕生石です。母親が子供を愛するように、愛で包み込むパワーを与えてくれるとのこと。自らの持つ愛情を最大限に増幅させる、一途さ、誠実さを授けてくれる石です。
語 源 サンスクリット語のスマラカタ(緑色の石)ギリシャ語のスマクラドス、ラテン語のスマラグドスと変化してゆき、古代フランス語のエスメラルダを経て、現在のエメラルドになったとされています。
和 名 翠玉、緑玉
産 地 ブラジル、ロシア、コロンビア、ザンビア、マダガスカル等
硬 度 7.5~8
石言葉 幸福、幸運
【翡翠(ヒスイ)・ジェード】
ひすいは、「東洋のエメラルド」と呼ばれるように日本でも、昔から帯留めやかんざしなどに細工されてきました。中国では、「玉」は、ひすいをさし「玉座」とか呼ばれるように、ひすいは、「王」を象徴し、祭事などのためにさまざまに細工されてきました。また、霊魂を静めるとされ、護符としても珍重されてきました。
アメリカインディアンは、腹部の病にきくと治療に使っていたそうで、アメリカ大陸を征服したスペイン人がこれを持ち帰り「横腹の石」(PIEDRA DEHIJADA)と呼んだところから、これが転化して、ジェードとなったとのことです。
なお、ひすいにはこのジェード(硬玉)とネフライト(軟玉)の二種類があり、ジェードを本ひすいと呼び、「希少性」「色合い」「硬度」ともにネフライトを上回ります。硬度は、6.5~7程度ですが、じん性とよばれる粘り強さが高く、衝撃には、ダイヤよりも強い宝石です。一般的に緑のイメージが強いですが、様々な色合いがあり緑以外にも白、ピンク、橙、青、赤、黒などと豊富です。
語 源 ジェード「横腹の石」 翡は、「赤」翠は、「緑」を表す。
産 地 ミャンマー、グアテマラ、アメリカ、日本(糸魚川流域など)等
硬 度 6.5~7
石言葉 安定、平穏、慈悲、知恵